サーバー監視はなぜ必要?重要性や具体的方法とは

サーバー監視はなぜ必要?重要性や具体的方法とは

社内で独自のシステムを構築し、運用している会社においてはサーバー監視の業務が欠かせません。サーバー監視は直接システムのパフォーマンスを向上する取り組みではないものの、サイバー攻撃のリスクやシステムの不具合を回避するためには不可欠です。

業務のデジタル化が進んだことで、多くの企業が自社サーバーを運用していますが、今回はそんなサーバー監視がこれらの企業でなぜ求められているのかや、サーバー監視を実現するための施策について、ご紹介します。

サーバー監視とは

サーバー監視は、その名の通りサーバーが正しく機能しているかどうかをチェックするための業務を指します。私たちが社内システムやWebサーバーを安全かつ快適に利用できるのは、それらのサービスのデータが保管されているサーバーの健全性が、常に一定に保たれているためです。

他社のサービスを利用する場合にはサーバー監視は必要ありませんが、自社でシステムを構築している場合、サーバー監視業務を実行し、常に保守管理に努める必要があります。

サーバー監視の2つの種類

サーバー監視には、大きく分けて以下の2つの種類が存在します。どちらか1つを実行するというよりも、2つの監視アプローチを合わせて実行し、サーバーをリスクから遠ざけることが大切です。

正常監視

正常監視は、サーバーが正常に動作しているかどうかを監視するものです。サーバーは安定したサービスの実現やリソースの提供に努めることが主な役割であるため、一定のパフォーマンスを余裕を持って実行できている状態が理想的です。

正常監視においては、リソースの増減が極端になっていないかを監視したり、サーバーの使用量が増えすぎていないかを監視したりすることで、安心して使える状態を維持します。

異常監視

異常監視は、サーバーに何らかの障害が発生した際、迅速に問題へ対処できるよう監視しておくための取り組みです。監視ツールが異常を検知した場合、迅速に管理者へメールや通知を送信し、早急な異常の解消が行われるよう促します。

現場に管理者が配置されている場合、感覚的な理解を促しやすくするため、ランプを転倒したり、アラーム音を鳴らすことで異常を共有するといったケースも存在します。

サーバー監視にも複数の種類があり、それぞれで異なる役割があることを覚えておきましょう。

なぜサーバー監視が重要なのか

サーバー監視を行わなくとも、正常にサーバーが動作していれば日々の業務に支障をきたすことはありません。しかしそれでもサーバー監視に一定のリソースを割かなければならない理由として、以下の3つの理由が挙げられます。

サーバー障害のリスクを回避するため

1つ目の理由は、サーバー障害がそもそも発生しないよう面倒を見なければならないためです。

サーバーに障害が発生すると、サービスへのアクセスができなくなったり、一部機能が使えなくなったり、データの保存ができなくなったりと、非常に不便な思いをすることになります。

特にECサイトのような多くの顧客が訪問するサイトを運営している場合、サーバー障害によってアクセスができないと、買い物もままなりません。そのため、サーバーの障害が直接売上に悪影響をもたらす可能性があります。

サーバー障害のリスクをあらかじめ回避することで、企業の成長につながる機会損失を最小限に抑えられるようになります。

最適なパフォーマンスを実現するため

2つ目の理由は、最適なパフォーマンスを実現するためです。サーバーの状態が安定していないと、サービスそのものは稼働していても、サイト表示のために多くの時間を必要としたり、正しく処理が行われなかったりといったトラブルにつながる可能性があります。

常に安定した理想のパフォーマンスを実現するためには、常時サーバーの状態を監視し、異常が発生していないかどうかを確認する必要があります。

障害発生時の原因究明と予防を徹底するため

3つ目の理由は、障害発生時の原因究明を迅速に行い、再発の予防を徹底するためです。どれだけサーバーメンテナンスに力を入れていても、外部からの脅威によって何らかのサーバー障害が発生してしまう可能性をゼロにすることはできません。

こういった事態が発生した場合もすぐに復旧に努めるとともに、予防体制を整えることで、サービスへの被害を最小限に抑え、二次被害やサービスの信頼低下を回避することができます。

具体的なサーバー監視の方法

ここでは、具体的なサーバー監視のアプローチについてご紹介します。サーバー監視の方法としては、主に以下の3種類が存在します。

死活監視

死活監視は、サーバーが停止していないかを監視するための方法です。通信回線を通じて一定の間隔で短い信号を送り、それらが正しく送り返されてくるかどうかでサーバーの状態を確認します。

あらかじめ定められた間隔で信号が返ってこない場合、サーバーに何らかの異常が発生しているとみなし、管理者への通知などのアラートを送ります。

パフォーマンス監視(リソース監視)

パフォーマンス監視はリソース監視とも呼ばれ、サーバーのCPUやメモリの使用量をモニタリングする監視方法です。サーバーに高負荷がかかり、正常なパフォーマンスを維持できない場合、これらのユニットに問題を抱えている場合がほとんどなため、パフォーマンス監視によってこういった問題を未然に防ぎます。

障害発生に至る前に異常を検知の上管理者に通知し、正常化することで問題を最小限に抑えます。

トラフィック監視

トラフィック監視は、サーバーとネットワークでやりとりされるデータ通信量の監視を行う方法です。サービス拡大に伴い、転送量が増えてくるとサーバーの補強が必要になりますが、トラフィック監視から得た情報をもとに、こういった判断を下せます。また、大量のデータを特定のサービスへ意図的に送信してサーバーをダウンさせるDDoS攻撃に対しても、トラフィック監視によって早期に察知し、アクセスを遮断するなどの適切な措置を行えます。

サーバー監視を効率化するためのポイント

サーバー監視業務には、保守管理のためのリソースを割かなければならないため、その負担増加に対処する必要があります。サーバー監視を効率化するためのポイントについて、最後にご紹介します。

サーバー監視ツールを導入する

サーバー監視体制を強化する最もポピュラーな方法としては、サーバー監視ツールの導入が挙げられます。サーバー監視ツールは、自社サーバーに導入することで上記でご紹介した物を含めた、多くのサーバー監視業務を一手に引き受けてもらうことができます。

導入費用や具体的な機能、システム連携機能などについては製品によって異なるため、自社システムの要件を確認しながら、適切なツール導入を進めましょう。

サーバー監視をアウトソーシングする

2つ目の方法は、サーバー監視業務を外部にアウトソーシングする物です。サーバー監視ツールは確かにサーバー監視業務を効率化することができますが、それでもある程度の人的リソースは自社から用意しなければなりません。

一方でサーバー監視をアウトソースした場合、監視業務をサーバー監視の専門家たちへ一手に任せることができるため、自社リソースへの負担は最小限に抑えられます。

委託費用は発生するものの、人手不足に対応する上では最適な方法と言えます。

クラウドサーバーへ移行する

3つ目の方法は、クラウドサーバーへの移行です。そもそもサーバー監視を自社でやらなければいけない理由は、自社でサーバーを設置し、そのメンテナンスを自前で行っているためです。システム利用のためにはサーバーが必要ですが、近年多くの企業が導入を進めているのがクラウドサーバーです。

クラウドサーバーは外部のサービス事業者からサーバーの利用ライセンスを購入することで、オンライン経由でサーバーを利用できるというものです。サーバー管理の手間はなく、従量課金制で好きなだけリソースを利用できるため、優れたコストパフォーマンスを発揮します。

常にオンライン環境でなければいけないというデメリットこそあるものの、初期費用もかからない方法であるため、サーバーの老朽化が進んでいる場合はクラウドへ移行してしまうのも一つの手段です。

まとめ

本記事では、サーバー監視の重要性や、具体的な対処法についてご紹介しました。サーバー監視業務の負担は小さくなく、もしものリスクを最小限に抑えるためには欠かせない業務です。

監視ツールの導入やクラウドサーバーへの移行など、自社の課題に合わせた選択肢を選ぶと良いでしょう。

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